水頭症のシャント術後の母の様子・その3 泊まりに来た。

水頭症のシャント術を受けてリハビリ病院に戻ってから初めて、母がうちにやってきた。くも膜下出血で倒れて以来、同居の練習として母がうちに泊まりにやって来るのはこれで二度目だ。どうやら一度目のことはもう忘れてしまったようで、その時のことは覚えていないと、母は首を横に振っていた。

しかし、シャント術を受けてだいぶしっかりと歩けるようになった母だったので、前回は必ずつまづいていたリビングと玄関の間の内ドアの段差も、自分の注意で足を踏みしめて歩くことができていた。すごい。これなら一人でトイレに行ける!しかも、シャント術を受けて以降、一度も失禁がないのだ。すごいすごい!!

念のためにと、母はオムツをしているし、用意されたお泊りセットの中にもオムツが入っているのだが、付き添いで来た病院の介護スタッフが帰った後、母はそのオムツを手に取り困った顔をして見せ、「こんなの本当はもういらないのよ」というようなことを私に言ったので、私は思わず「ふふふ」と笑ってしまった。つられて母も一緒に笑って、「使いませんでしたって持って帰ろうか」と言った。うんうん。そうしよ。

本当はもうオムツなしでも大丈夫なんだよっていう、でも介護職員の方たちにはナイショだねっていう、小さな秘密を母と共有したような感じだった。

帰って来た夫と、まだ小さな息子と、母と私と、みんなで食卓を囲んでささやかな食事をしたのだが、母は驚くほどよく食べて「おいしいね」と言ってくれた。「どうやって作るの?」と。まさかこんなに会話ができるなんて、病院に見舞いに行った時の短い時間では想像もつかないことだった。

もともとよく喋る母だったので、その母が戻ってきたようでうれしかった。もちろん、理解できない会話の方が多いのだけど、意味のわかる言葉が増えたことが本当にうれしい。私も夫も、わからない言葉にも何となくわかるフリをしてうんうんと頷いた。本当はわからないのだけれど、それでいいと思った。

食事がすんだあと、みんなでお布団を並べて休んだ。夜中に3度ほど、母は一人で勝手にトイレに立ったようだったが、問題の段差にもつまづくことははかった。

朝起きて、朝食をとり、片付けを母に手伝ってもらった。食べたら歯磨き!と、母にも1歳の息子にも歯ブラシを持たせてみんなで歯磨きをした。ふと時間がたって、そういえばそろそろ騒ぎ出すはずの息子が静かだなと思ったら、息子は母と一緒に夫の財布を散らかして遊んでた。それを見て夫が一人で騒いでいたが、実に平和で穏やかで幸せな毎日の中の1日のようだった。

笑顔で母が帰った後、シャント術後の母の回復ぶりを初めて見た夫が「奇跡やな」と言った。「これはお金では買われへんで」とも。

母のことだけでなく、いろいろな意味で本当によかったと思った。夫のことも、母のことも、息子のことも、私は本当に家族に恵まれている。家族を大事にししなくちゃ。本当に心からそう思った。

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