猫が天国で生まれた日

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もう21年も前のことになるんだけど、まだ若かった私は大阪の繁華街で友達と待ち合わせて呑みに行ったの。(そんな頃から立派な酒飲みだった🤣)

待ち合わせ場所に向かう途中、どこかで猫ちゃんの鳴き声がするのよ。みゃぁみゃぁと必死に鳴いてるんだけど、絶対に猫がいるような場所じゃないんだよ。キャッチのお兄さんとかお姉さん、ナンパ待ちの女の子やナンパ目的の男の子がウロウロしている、ネオン煌めく思いっきり夜の街だよ。

なんだか気になりつつも、待ち合わせの時間を気にして、その時はそのまま待ち合わせ場所に向かったんだよね。

で、気の合う友達3人とワイワイいつも通りお酒を呑んで美味しいものを食べて、近況報告をしあったり、仕事や恋人の話(愚痴だっけ?w)をしたりしつつも、やっぱりどうしてもさっきの猫ちゃんの鳴き声が気になって、一緒に呑んでる友達に話して、みんなにお願いしたんだよ。

一緒に探しに行こうって。

3人で猫ちゃんの鳴き声がしたあたりに行くと、やっぱりまだ鳴いてるの。

どこ?どこで鳴いてる?

ちょっと離れたところの工事現場が怪しくて、なんかパイプみたいなのが積まれてて、中、ちょっと空間があって、そこを覗き込むといたんだよ。めっちゃちっこい猫ちゃんが、小さく丸く座り込んでみゃぁみゃぁ必死で鳴いてるの。顔もすごく怖くて怖くてたまらないよって顔してたの。そんな風に見えた。

こんなところにいたら、絶対、死んじゃう!!!

気が付いたらもう、めっちゃ腕伸ばして猫ちゃんを引っ張り出してたわ。

それが、マルコ。

その時、一緒に飲んでた友達が名前をつけてくれたの。

たまたまなんだけど、深さのあるちょっとしっかりした皮のバッグを持っていて、中身の化粧ポーチや財布とか全部取り出して、その中にマルコを入れて連れて帰ってきました。

小学2年生の頃から保護猫ちゃんと暮らしてきたから、なんの違和感も抵抗もなかった。この子で4代目の猫ちゃん。

それからもう21年。

いろんなことがあったよ。今、こんな風に生きてるなんて、その時は想像もつかないよ。何回も引っ越したし。脱サラして小料理屋とか始めちゃうし。おまけにまさか結婚して母になるなんて。息子がまさかの猫アレルギーなんて。本当に人生はわからないもんだなと思ってしみじみしちゃう。

マルコにいろんなお話をしたよ。いつもただ黙ってじっと聞いてくれた。

そう言えばまだ息子が小さくて喋れない時、息子に「マルコどこ?」って聞いたら、こたつの布団めくって探してたな🤣

猫ちゃんはみんなこたつが好き。あったかいところとと、涼しいところを探す天才だもんな。

頭を撫でてやったらいっつもゴロゴロとのどを鳴らしてくれたな。爪切りもぜんぜん嫌がらなかった。いやまぁ多少は嫌がってたかな?🤣

時々、おやつをあげてたんだけど、なんだか調子悪くなった気がしたので、おやつは禁止。晩年は味気ない食事だったかもしれないなぁ。ごめんね。

年取ってからはベッドに上がってこれなくなっちゃって、一緒に眠れなくなっちゃったね。いつも座布団の上か、こたつの中で丸くなってたな。

でも、トイレもごはんも2階のキッチンのところにあるのに、ちゃんと粗相もせず、2階と3階を行き来してくれてたなぁ。階段の上り下り、めっちゃゆっくりになっちゃって、時々、抱っこして連れてってたな。

息子のたどたどしい抱っこにも快く応じてくれてたわ。おじぃちゃんみたいに、息子を見守ってくれてたな。ずっと、一緒にいれたらいいのに。せめてもう少し息子が大きくなるまでは、そばにいて欲しいなぁ。

マルコの誕生日は息子が決めたんだ。マルコだけお誕生日がないのはかわいそうだって言って。7月10日。

だけど、そろそろかなぁ。もう21歳だもん。そろそろかなぁって、だいぶ前から思ってたんだよ。覚悟しなくちゃいけないって。そしてもう、その覚悟は自分ではできてるつもりだったんだ。

最近、元気がなくなってきたなぁ。もう本当にいよいよなのかなぁ。でもまだ、ちゃんと3階まで上がってくるし、朝はごはんもトイレもしてるから、もう少しは大丈夫だよね?こたつでゴロゴロしてるし。

そう思ってみていたんだけど、初めてその日、粗相をしたんだ。おしっこをね。2階に降りていく体力がなかったんだと思う。私はびっくりして、ごはんとかお水を持って上がってきて、2階に行くのがしんどいんやったら、ここで食べな。って。

心配だけど、仕事に降りて、息子が帰ってきてすぐ、マルコにただいまを言いに行って、泣きそうな顔して戻ってきて、「マルコがしんどそう」だって。

夫も私も息子もみんなで様子を見に上がってきて、私はすぐにわかってしまった。夫と息子は今日はもう、お店を閉めてマルコを病院へ連れて行こうって話になったんだけど、かかりつけの病院はお休みで、近所にあるもう1軒もお休みで、連れていけなかったの。だから明日の朝に連れて行こうね。って、そう言ったけど、私は気づいてたと思う。それに、私はこれでよかったと思ってるのよ。だってもう、どう見たってわかるよ。ペットキャリーに入れて自転車に乗って病院って、そんなの負担になるだけ。最期の時を少しでも安らかに。どうんなに頑張っても、ああもう逝っちゃうんだなって、なんか、わかってしまったんだよ。

お水飲もうか。

って、マルコをお水のところに連れて行ってやったら、ペロリペロリと舌を出して少しだけお水を飲んで、そのままお水の器の上に頭をもたげて横になったの。

病院には連れて行けなかったけど、その日は店を休んで、ずっとマルコのそばにいて、頭をなでたりしながら様子を見てました。

夜、息子を寝かせて、深夜、みんなが寝静まった頃、シューシューって音がするの。私のベッドからたった1mくらい先で横になって寝ていたマルコが、頑張って歩いてきてくれたんだね。ベッドのすぐそばに移動していて、枕元から下を覗き込むと、ベッドに寄り添うみたいにマルコが横になっていたんだ。

今度は私がそばにいる番だって思って、そっと、抱っこして、膝の上に乗せてずっと頭を撫でたよ。

猫は100万回生きるっていうから、もしかしたら生まれ変わるかもしれない。

今度、生まれ変わってもうちにおいでね。なんか困ったことあったら、またあの時みたいにたくさん鳴いて教えるんやで。母ちゃん、ぜったい、見つけるからな。また絶対、探して見つけるから、たくさん鳴くんやで。ちゃんと教えてな。そんでまた家族になろう。また一緒に暮らそうね。

いろんなことを思い出して涙が止まらなくて、たくさん話しかけてありがとうって言って、頭を撫で続けていたら、

ふわってしたんだ。

あって思って思わず顔をあげた。本当に、ふわってしたのよ。

ああ今、マルコが逝ったんだな。本当にお空に行ったんだ。

マルコの天国の誕生日

何をしててもマルコのことを思い出してしまって、ちょっと油断したらすぐに涙があふれてきてしまって、でも、生きていかなきゃならないし、息子の前でいつまでも泣いてられないし、頑張らなくちゃと思っても、もうどこにもいないのが信じられなくて、放り出してるバッグがマルコに見えたり、今、鳴いたような気がしたり、風が通り抜けるたびにマルコを感じて、

このままこの悲しみが癒えることなんてないんじゃないのかと思っていた時、自転車の後ろにのっていた息子が、

「母ちゃん。マルコの誕生日っていつ?」

って聞くのよ。

「7月10日やろ。自分で決めてたやんか~」

って答えたら、

「違う違う!天国で生まれた日のこと!」

って。

ああ、命日のことか。そうか。あの子は天国で生まれなおしたんだな。そうかって。心がすごく軽くなりました。息子に救われたんだ。ありがとう。

「3月3日やで。天国で生まれた日やな😊」

マルコの思い出

本当は今でもまだまだとっても悲しい。だけど、頑張って生きていきます😊

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